2013年1月21日月曜日

乳製品と動脈硬化


男性ではバターがくせもの,乳製品で唯一動脈硬化と関連
英・ケアフィリ前向き研究
要約
男性での牛乳および乳製品の摂取と動脈硬化の関連性を検討した結果がHypertension(2013; 61: 42-47)に掲載された。
英・レディング大学のKatherine M. Livingstone氏らが,23年間のコホート前向き研究(ケアフィリ前向き研究)の中で明らかにしたもので,牛乳や乳製品の中でもチーズとクリームは動脈硬化の危険因子と関連しなかったが,バターは関連していたという。
なお,同研究ではこれまでも牛乳や乳製品を摂取しても心血管疾患(CVD)のイベント発生率は低いことを明らかにしている。

■バターでは摂取量が多くなるにつれて,インスリン分泌,トリグリセライド,総コレステロール,拡張期血圧の上昇が認められた。

■牛乳の摂取量は将来の血圧レベルに反映され,バター以外の乳製品は動脈硬化や糖・脂質代謝に害を及ぼさない。

出典  MT Pro 2013.1.17
版権  メディカルトリビューン社




2013年1月19日土曜日

Ca拮抗薬 vs. 利尿薬,肥満レベル別に効果を再検証

Ca拮抗薬 vs. 利尿薬,肥満レベル別に効果を再検証すると…
ACCOMPLISH試験サブ解析から


■心血管病を発症した後はBMIが低い方が予後不良となる“Obesity Paradox”といわれる現象が多数の疾患において報告されている。
典型的なものとして心不全患者や閉塞性動脈硬化症患者において,予後不良患者では体 重減少が生じてカヘキシーになることがある。
高血圧患者ではBMIと予後をプロットするとU型になり,BMIが35を超えるような超肥満患者では予後不良 であるが,低BMIもまた予後不良とされる(J Am Coll Cardiol 2009; 53: 1925-1932)。

■利尿薬は肥満群のみで,Ca拮抗薬はBMIレベルに関係なく心血管イベントを予防

■高血圧患者において

(1)肥満,過体重,正常体重とBMIレベルが低下するほど予後が悪くなる,
(2)Ca拮抗薬追加群は,BMIレベルにかかわらず心血 管イベントを予防する,
(3)一方,利尿薬追加群は,肥満群では心血管イベント予防効果を認めるが,過体重,正常体重群では効果を認められない

参考サイト
 N Engl J Med 2008; 359: 2417-2428
Lancet 2012年12月6日オンライン版
 

 

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/doctoreye/dr121203.html
出典 MT Pro  2012.12.11
版権 メディカル・トリビューン社