2012年7月2日月曜日

コーヒー消費と心不全

コーヒー消費と心不全にJ字型の関連
1日4杯でリスク最小,前向き研究のメタ解析
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1206/1206091.html 
要約
両者にはJ字型の関連があり,リスクは1日4杯で最小となり11%低下したが,10杯以上ではリスクが上昇していた。

<私的コメント>
記事の中にもありますが、米国に比較して欧州ではコーヒー1杯の量は「少なくて濃い」傾向があります。
米国はいわゆる「アメリカンコーヒー」。
カフェインは血圧を上昇させるが,頻回に摂取すると血流学的影響への耐性が生まれるとのことです。
高血圧とコーヒー摂取量に関しては、1日1~3杯消費すると高血圧のリスクが高まるが,4杯以上消費するとリスク増加がなくなるというJカーブがあるとのこと。
2型糖尿病については,ほとんどの研究でコーヒー消費が多いほどリスクが低下することが示されています。
米国の現行の心不全予防ガイドラインではコーヒーの有害性が示唆されているということで、この論文はこのGLに対するアンチテーゼとなっています。

ここで新たな疑問が湧きます。
カフェインとβ刺激とは別物かも知れません。
この論文ではコーヒー=カフェイン という考察になっていますが、カフェインもβ刺激薬も強心作用という共通点を持っています。
心不全治療にβ遮断剤ということとの整合性はどうなっているのでしょうか。


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