2012年6月28日木曜日

CKD診療ガイド本日改訂,重症度分類や降圧薬選択基準が変更
日本慢性腎臓病対策協議会,日本腎臓学会が会見
■日本腎臓学会は,第55回日本腎臓学会学術集会(横浜市,6月1~3日)の開催に合わせて,6月1日『CKD診療ガイド2012』を発行。
■3年ぶりの改訂。 
■重症度分類が糸球体濾過量(GFR)のみの評価から,原因,腎機能,蛋白尿に基づくCGA分類評価に変更。
■血圧管理は,ACE阻害薬またはARBが第一選択薬であったが,今後は糖尿病の合併の有無や蛋白尿の程度に応じて,他の降圧薬の選択も可能になった。
■原疾患にとって分類。
<私的コメント> 
「原疾患によって異なる」 ことは最初からわかっていたこと。
原疾患を問わないことにこそ新鮮味があったのです(これは半分皮肉です)。
KDIGOに「右ならえ」 も恥ずかしくはないのでしょうか。
■シスタチンCの推算式(eGFRcys)も用いることになった。
■糖尿病患者以外は保険適用の範囲を考慮し,尿アルブミンではなく尿蛋白で評価。
<私的コメント> 
保険適用にあわせるのではなく、「尿アルブミン」がそれほど重要なら学会から 「尿アルブミン」の糖尿病以外の適応追加を働きかけるべきです。

降圧目標値は130/80mmHg「未満」から「以下」に改められた。
尿蛋白1g/日以上の患者の血圧管理目標値(125/75mmHg未満)については,エビデンスがなく取り下げた。
■今回初めて過剰降圧〔収縮期血圧(SBP)110mmH未満〕を避けるようにとの記載がなされた。
■尿蛋白が正常(0.15g/日未満)な糖尿病非合併のCKD患者ではRAS阻害薬の優位性が認められていないため,「降圧薬の種類は問わない」ことになった。
■同ガイドは,日本腎臓学会,日本高血圧学会,日本糖尿病学会,日本小児腎臓学会の代表者らによって改訂された。

<私的コメント> 
図「CKDの重症度分類」 で、G1、G2そしてG4、G5で尿蛋白区分のA1、A2、A3のいっずれもリスクが変わりません。
従ってG1、G2そしてG4、G5各々を1つのGFR区分にまてめてもいいのではないでしょうか。


出典 MT pro  2012.6.1
版権 メディカル・トリビューン社
(図1) 
図「CKDの重症度分類」




<私的コメント>
特任教授や寄付講座。
どこの製薬メーカーがスポンサーなのでしょうか。
CKDには実に多くの製薬メーカーが協賛しています。

名古屋大学医学部 CKD地域連携システム寄付講座



CKD患者の紹介基準,年齢によって異なるGFR値に
(図1)
図「腎臓専門医への紹介基準」


<自遊時間>
明日の夕方、某メーカーの営業所に出かけてMRさんを相手にCKDの話をします。
カルシウム拮抗剤を販売しているメーカーなので当然カルシウム拮抗剤とCKDとのからみの話をするつもりです。
CKDの概念に懐疑的な私としては辛口な話になってしまいそうです。
どういった話の展開にするかちょっと迷っています。


読んでいただいて有り難うございます。
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